(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第I章 序
1. 本ガイドラインの目的
急性胆道炎(急性胆嚢炎,急性胆管炎)は急性期に適切な対処が必要であり,特に,急性胆管炎,なかでも重症急性胆管炎では急性期に適切な診療が行われないと早期に死亡に至ることもある。 一方,近年,急性胆道炎に対しても種々の診断,治療手技が開発されてきたが,それらの手技の客観的な評価はなされておらず,診療における標準化はなされていないのが現状である。 そこで,前述の組織によるガイドライン作成が行われることとなった。
本ガイドラインは急性胆道炎の診療にあたる臨床医に実際的な診療指針を提供することを目的として作成された。 また,一般臨床医が急性胆道炎の重症度を迅速に判断し,効率的かつ適切に対処することの一助となりうるよう配慮した。 さらに患者,家族をはじめとした市民にも急性胆道炎の理解を深めてもらい,医療従事者とそれを受ける立場の方々の相互の納得のもとに,より好ましい医療を選択され実行されることを望むものである。