(旧版)高血圧治療ガイドライン2009

 
第10章 小児の高血圧


6.小児・高校生における本態性高血圧の問題点

小児・高校生の本態性高血圧の問題点として,合併症(臓器障害)と成人本態性高血圧への進展があげられる。合併症として,10-46%に左室肥大がみられる669)
成人本態性高血圧への進展はさらに大きな問題である。中学時代の血圧と20年後の血圧を比較した本邦の成績では,高血圧であった中学生は20.9%が依然高血圧であり,正常血圧の中学生の5.5%が高血圧となった670)。同様に,大学生を8-26年後に調査した成績では,高血圧群の44.6%,正常血圧群の9.2%が高血圧となった671)。5-14歳の1505人を15年以上追跡した海外の大規模研究(Bogalusa Heart Study)672)では,小児期血圧を高い順に五等分した上位1/5のうち40%は収縮期血圧が,37%は拡張期血圧が,成人後も依然として上位1/5群に属していた。20-31歳における高血圧罹患率は,小児期血圧の上位1/5群が,他の4群に比べ収縮期血圧で3.6倍(18%対5%),拡張期血圧で2.6倍(15%対5.8%)と顕著に多かった。

 

 
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