(旧版)高血圧治療ガイドライン2009
第5章 降圧薬治療
POINT 5a |
- 降圧薬の心血管病抑止効果の大部分は,その種類よりも降圧度によって規定される。
- 単剤もしくは併用使用を目的に最初に投与すべき降圧薬は,Ca拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,利尿薬,β遮断薬のなかから選択する。
- 積極的な適応や禁忌もしくは慎重使用となる病態や合併症の有無に応じて,適切な降圧薬を選択する。
- 降圧薬は1日1回投与を原則とするが,24時間にわたって降圧することがより重要であり,1日2回の分割投与が好ましいこともある。
- 降圧目標を達成するためには,多くの場合2,3剤の併用が必要となる。その際,少量利尿薬を積極的に併用すべきである。
- 2剤の併用としてRA系阻害薬(ARBあるいはACE阻害薬)+Ca拮抗薬,RA系阻害薬+利尿薬,Ca拮抗薬+利尿薬,Ca拮抗薬+β遮断薬が推奨される。
- 合剤により処方を単純化することはアドヒアランスの改善,血圧コントロールの改善に有用である。
- 特に高齢者など,一般には緩徐な降圧が望ましいが,III度高血圧や多重危険因子保有など高リスク症例では数週間以内に速やかに降圧目標を達成することが望ましい。