(旧版)高血圧治療ガイドライン2009

 
第4章 生活習慣の修正


7.その他の生活習慣の修正

寒冷が血圧を上げ,冬季に血圧が高くなることはよく知られている。心血管病による冬季の死亡率増加は,暖房や防寒の不十分な場合ほど高くなる283)。したがって,高血圧患者においては冬季には暖房に配慮すべきであり,本邦においてはトイレや浴室,脱衣所などの暖房が見落とされやすいので注意が必要である。
情動ストレスと血圧との関係は矛盾する報告もあるが,最近のメタ解析によるとストレス管理の有効性が示されている265)。したがって,症例によってはバイオフィードバックやリラクゼーションなどを試みる価値がある。
入浴に関しては熱すぎない風呂がよい。室温20℃以上,湯温40℃以下では血圧はほとんど上がらないとされている。38-42℃くらいの湯温で5〜10分くらいの入浴が目安である。銭湯の湯温は熱すぎることが多い。冷水浴やサウナは避けるべきである。便秘に伴う排便時のいきみは血圧を上昇させるので,便秘予防の指導,場合によっては緩下薬の投与を行う。
性交は血圧を上昇させるが,性生活において高血圧ゆえの問題はあまりない。しかし,心血管病を伴っている場合,刺激の強い性行為は慎むべきである。

 

 
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