(旧版)高血圧治療ガイドライン2009
第4章 生活習慣の修正
5.節酒
長期にわたる飲酒は血圧上昇の原因となる272)。大量の飲酒は高血圧に加えて脳卒中やアルコール性心筋症をひき起こすだけでなく,癌の原因にもなり死亡率を高める。一方で,少量の飲酒はむしろ死亡率を改善するとされている273)。しかし,飲酒と死亡率とがU(またはJ)形の関係であるという見解に対して異議が唱えられており85),少量の飲酒の心血管保護効果については今後の検討をまつ必要がある。
アルコール単回投与は数時間持続する血圧低下をもたらすが,その後上昇に転じる。したがって,節酒は血圧を下げる274)。飲酒量を80%ほど節制すると1-2週間のうちに降圧を認めるとされている275)。大量飲酒者は急激な節酒により血圧上昇をきたすことがあるが,節酒を継続すれば降圧が得られる。エタノール換算で男性20-30mL(日本酒1合,ビール中ビン1本,焼酎半合弱,ウイスキー・ブランデーダブル1杯,ワイン2杯弱に相当)/日以下,女性10-20mL/日以下に制限すべきである。
アルコール単回投与は数時間持続する血圧低下をもたらすが,その後上昇に転じる。したがって,節酒は血圧を下げる274)。飲酒量を80%ほど節制すると1-2週間のうちに降圧を認めるとされている275)。大量飲酒者は急激な節酒により血圧上昇をきたすことがあるが,節酒を継続すれば降圧が得られる。エタノール換算で男性20-30mL(日本酒1合,ビール中ビン1本,焼酎半合弱,ウイスキー・ブランデーダブル1杯,ワイン2杯弱に相当)/日以下,女性10-20mL/日以下に制限すべきである。