(旧版)高血圧治療ガイドライン2009
第1章 高血圧の疫学
2.国民の血圧水準の推移
本邦の年齢調整脳卒中死亡率は,第二次世界大戦後,感染症の克服とともに急速に上昇し,1965年に頂点に達した。その後,1990年にかけて急速に低下し,世界一の長寿国となった2)。脳卒中死亡率の低下には,その罹患率の低下が大きく貢献した。これには,国民の血圧水準の低下が大きく寄与している。国民健康・栄養調査による国民の血圧水準の推移は,測定成績のある1956年から上昇し,1965年ころ最も高かったが,それ以降漸減した(図1-1)2)。このような国民の血圧水準の推移は,久山町や秋田・大阪の疫学調査によっても認められている3),4)。
図1-1. 性別,年齢別の国民の血圧水準の推移 |
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(文献2より,2002-2004年を追加し,作図) |