(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第11章 二次性高血圧


6)薬剤誘発性高血圧

c 糖質コルチコイド

糖質コルチコイドは喘息、リウマチ様関節炎の長期治療においても、低用量を用いれば高血圧をきたすことは少ない。しかし、高齢者ではプレドニゾロン服用量の増加に伴い、血圧上昇度が大となり、20mg/日以上を服用すると、その上昇は顕著であった。これらの高齢者では37.1%に高血圧が観察され、高血圧家族歴陽性者が非高血圧者と比較して高頻度であった497)
糖質コルチコイドによる血圧上昇の機序は、腎鉱質コルチコイド受容体を介するNaと水の貯留(否定的な見解が多い)498)、レニン基質の産生増加によるアンジオテンシンII増量499)、エリスロポエチン産生増加による血管収縮498)、一酸化窒素(NO)の産生抑制500)、スーパーオキシドの過剰産生による血管内皮障害501)などが推測されるが、詳細は不明である。健常人に鉱質コルチコイドおよび糖質コルチコイドを短期間服用させると、両者ともに血圧を上昇させ、血圧上昇反応性の亢進をきたしたが、循環動態上の反応には差異があると報告されている502)
治療は糖質コルチコイドの減量あるいは中止が第一である。これが困難であり、血圧管理を行う場合、利尿薬、Ca拮抗薬あるいはARBなどを用いる。
 
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