(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第10章 小児の高血圧


2)小児の血圧測定と高血圧判定基準

小児の血圧測定は適切なサイズのマンシェットを選択することが大切である。本邦では水銀血圧計用として3〜6歳未満は7cm幅、6〜9歳未満は9cm幅、9歳以上は成人用(12cm幅)の市販マンシェットが使われている。ただし、年齢よりも上腕周囲長や体格に合わせる方が本来の血圧値をよく反映するので、体格のよい小児は上腕周囲長の40%を超える幅のマンシェットを選ぶ。
なお、拡張期血圧は第5点を採用する。
米国では身長も考慮した高血圧基準値が報告されている398)が、本邦にはこのような基準値はない。JSH 2000では、それまでの主な報告394,399,400)に示されている年齢・性別血圧平均値から、幼児、小学校低学年、同高学年、中学校、高等学校と区切りのよい数字で示した高血圧判定基準を定めた(表10-1)。
その後、小中学生を対象に血圧を測定し、年齢(学年)別の血圧値を示した論文はほとんどない。Dinamapp型自動血圧計を用い、比較的管理された方法で測定された集団血圧測定値から導き出された高血圧基準値(95パーセンタイル値)を表10-2に示した401)


表10-1 小児・青年期の高血圧と正常高値血圧判定基準
  高血圧 正常高値血圧
収縮期血圧
(mmHg)
拡張期血圧
(mmHg)
収縮期血圧
(mmHg)
拡張期血圧
(mmHg)
幼 児 ≧120 ≧70    
小学校 低学年 ≧130 ≧80 ≧120 ≧70
高学年 ≧135 ≧80 ≧125 ≧70
中学校 男 子 ≧140 ≧85 ≧130 ≧70
女 子 ≧135 ≧80 ≧125 ≧70
高等学校 ≧140 ≧85 ≧130 ≧75


表10-2 性別・学年別の高血圧基準値(mmHg)
学年 男子 女子
収縮期 拡張期 収縮期 拡張期
小学校 1年 107 60 108 60
2年 112 63 108 60
3年 114 62 111 61
4年 116 63 121 66
5年 117 63 119 66
6年 119 63 119 65
中学校 1年 125 66 126 68
2年 130 66 126 68
3年 136 68 128 70
 
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