(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第10章 小児の高血圧


1)小児および高校生の高血圧の特徴

血圧検診を行うと小学校高学年から中学生の0.1〜1%に、高校生の約3%に高血圧が見いだされる135,394)。まれに二次性高血圧も見つかるが、ほとんどは本態性高血圧に該当する病態である。小児および高校生の本態性高血圧は、一般に血圧上昇の程度が軽く、肥満に合併することが多い。肥満小児は図10-1に示したように年々増加しているので、高血圧小児も増加傾向にあると考えてよい。なお、米国ではこの10年間に8〜17歳の青少年の収縮期血圧が1.3mmHg、拡張期血圧が3.3mmHg上昇しており、肥満増加が一因であると報告されている395)
一方、小児で直ちに降圧薬を必要とする程度の血圧上昇は二次性高血圧の可能性が高い。年齢が低いほど、また血圧が高いほど二次性高血圧を考える。実際、精査や治療のためにロンドン市内の2カ所の病院に入院した高血圧小児の内訳でも二次性高血圧が大半を占めており、特に約8割は腎性高血圧であった396,397)


図10-1 肥満傾向児の頻度推移
図10-1 肥満傾向児の頻度推移
(注)肥満傾向児:性別、年齢別に身長別平均体重を求め、その平均体重の120%以上の者。
資料:文部科学省「学校保健統計調査報告書」
 
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