(旧版)高血圧治療ガイドライン2004
第9章 特殊条件下高血圧 |
2)高血圧緊急症および切迫症
e 急性左心不全および肺水腫
肺水腫を生じた高血圧性左心不全は直ちに治療を開始する必要がある。後負荷とともに静脈系も拡張させ前負荷を軽減するニトロプルシドが好ましい。ニトログリセリンの降圧作用はやや弱いが、虚血性心疾患に伴う場合に有用である。これらと同時にフロセミドを用いて肺水腫をコントロールする。明確な降圧目標は定められていないが、症状の改善をみながら降圧を行う(通常10%〜15%程度の収縮期血圧の低下)。より長期の有用性を考えて、ACE阻害薬やARBの併用に移行する。ニトロプルシドなどが使用できなければ、フロセミドとRA系抑制薬を当初より用いる場合がある。