(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第8章 高齢者高血圧


3)治療

c 生活習慣の修正

高齢者においても減塩、運動、減量などの非薬物療法(生活習慣の修正)は有用であり、積極的に行うべきである。しかし、極度な生活習慣の変更はQOLを低下させる可能性があり、高齢者においては無理のない程度にすべきである。

(1) 食事療法

高齢者は一般的に食塩感受性が高く、減塩は有効である。食塩制限は6g/日を目標にするが、過度な減塩は脱水の原因となるので注意が必要である。肥満者では減量も有効である111)
K摂取は軽度の降圧、脳卒中の予防など心血管病に予防的に働く。一般的にはKの豊富な食事が望ましいが、腎機能障害や、糖尿病に伴う高K血症に注意し、この場合はK摂取を制限する。
カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)の摂取量と血圧は負の相関があるとの報告があり、骨粗鬆症の予防からもCaは積極的に摂取(1日800mg以上)されるべきである。Mg補給は軽度な降圧効果が認められている。

(2) 運動療法

運動療法は平均75歳の高齢軽症高血圧患者にもよい適応である152)。60歳以上では心拍数110拍/分程度の軽い運動(早足歩行など)を1回30〜40分、週3回以上継続的に行う。しかし、虚血性心疾患、心不全、腎不全、骨関節疾患などの合併がある場合は積極的な運動は不可能である。

(3) 嗜好品

飲酒量と血圧には正の相関があり42)、高齢者においても飲酒量はエタノールにして1日20〜30ml以内にすることが望ましい。喫煙は血圧に対する影響は軽度であるが、心血管病の強力な危険因子であり、禁煙を原則とする。
 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す