(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第4章 生活習慣の修正


5)アルコール制限(節酒)

飲酒が血圧を上昇させることはよく知られている143)。1980年の循環器疾患基礎調査154)では、男性においては多量飲酒者ほど血圧が高く、毎日飲酒する者は飲む習慣のない者に比較して10歳の加齢に相当する血圧値を有していた。さらに、INTERSALT研究155)では、飲酒はその他の要因とは独立して、血圧との間に正相関が認められた。特に男性では飲酒は脳卒中の危険因子であり、脳梗塞ではなく脳出血が飲酒との関連性が強いとされている。アルコール単回投与は数時間持続する血管拡張により降圧をきたすが、節酒は血圧を下げる156)。節酒の降圧効果は1〜2週間以内に現れる。大量飲酒者は急にアルコール制限を行うと有意の血圧上昇をきたすことがあるが、アルコール制限を継続すれば数日後には血圧は下がる。エタノール換算で男性は20〜30ml/日(日本酒換算1合前後)、女性は10〜20ml/日以下にすべきである。
 
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