(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第3章 治療の基本方針


まとめ

1) 高血圧治療の目的は、高血圧の持続によってもたらされる心血管病の発症とそれらによる死亡を抑制し、高血圧患者が充実した日常生活を送れるように支援することである。
2) 高血圧治療の対象はすべての高血圧患者(血圧140/90mmHg以上)であるが、糖尿病や腎障害合併例では130/80mmHg以上であれば治療の対象となる。
3) 降圧治療は生活習慣の修正(第1段階)と降圧薬治療(第2段階)である。降圧薬治療開始時期は個々の患者の血圧レベル、心血管病に対する危険因子の有無、高血圧に基づく臓器障害の有無ならびに心血管病の有無から決定する。
4) 生活習慣の修正は、食塩摂取量の制限、野菜や果物の摂取の促進、飽和脂肪酸や総脂肪量摂取の制限、肥満であれば体重減量、運動療法、アルコール摂取量の制限、禁煙などである。
5) 降圧薬の使用上の原則は、1日1回投与の薬物で、低用量から開始する。増量時には1日2回の投与法も考慮する。副作用の発現を抑え、降圧効果を増強するためには適切な降圧薬の組み合わせ(併用療法)がよい。
6) 白衣高血圧(診察室高血圧)患者は治療しない場合も6カ月ごとに経過を観察する。
7) 治療継続を良好に保つために医師は患者と十分なコミュニケーションを保ち、必要な情報を提供することで信頼を得て、良好な医師(医療機関)-患者関係を作る。
8) 高血圧患者のQOLには、高血圧そのものによる身体的、精神的な問題と降圧薬による影響(副作用など)、医師(医療機関)-患者関係などが影響する。また、高齢者ほどQOLの障害度は大きい。
9) 治療は疫学や臨床試験の成績、患者の臨床的背景、降圧薬の薬理作用などを考慮して、担当医が最終的に決定する。
 
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