(旧版)高血圧治療ガイドライン2004
第1章 高血圧の疫学 |
3)日本人の高血圧の特徴
b 肥満度の推移
本邦は、欧米先進工業国の中では肥満者の少ない国である。しかし、肥満度の指標であるBody Mass Index(BMI、kg/m2)は本邦の男性では年々増加している24)。一方、女性では、50歳代まではむしろ低下している。本邦の高血圧者の特徴は、かつては食塩摂取量が極めて多い痩せている高血圧者が多かったが、近年、男性では肥満を伴う高血圧者が増加している。
米国では、1990年以降のBMIの増加は著しく、メタボリックシンドロームに伴う高血圧が大きな比重を占めてきている。本邦ではBMIの平均は幸いにも23.5前後であり、平均が28以上もある米国とは大きく異なる19,24)。しかし、本邦の男性では肥満にともなう高血圧が増加していると考えられる。