(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第1章 高血圧の疫学


1)国民の血圧水準の推移

近年、国民の血圧水準の低下とともに、脳卒中罹患率・死亡率の低下が見られたことはよく知られている。本邦は、かつては年齢調整脳卒中死亡率が世界で最も高い国であったが、1965年を境に急速に低下し、世界一の長寿国となった1)。これには、国民の血圧水準の低下が大きく寄与している。国民栄養調査による国民の血圧水準の推移では、測定成績のある1956年から上昇し、1965年頃を頂点として1990年にかけて低下した(図1-1-1、図1-1-2)。それ以降は、低下傾向の鈍化が続いている。脳卒中死亡率の最も高かった1965年と国民の血圧水準が高かった時期はよく一致している2)。このような国民の血圧水準の低下傾向は、久山町や秋田・大阪の疫学調査によっても認められている3,4)


図1-1-1 年齢別にみた収縮期血圧の平均値の年次推移、男性
図1-1-1 年齢別にみた収縮期血圧の平均値の年次推移、男性


図1-1-2 年齢別にみた収縮期血圧の平均値の年次推移、女性
図1-1-2 年齢別にみた収縮期血圧の平均値の年次推移、女性
 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す