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（旧版）腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
書誌情報
引用文献
第4章 治 療
11 腰椎椎間板ヘルニア摘出術で術中の硬膜外への副腎皮質ステロイド薬投与は術後経過に影響を及ぼすか
推 奨
【Grade B】
手術終了直前の硬膜外腔への副腎皮質ステロイド薬注入は術後の機能回復や術後数ヵ月時の疼痛など臨床結果に対する影響は明らかでない。
【Grade C】
術直後の疼痛抑制にはある程度の効果が期待できる。
【Grade B】
手術終了直前の硬膜外腔への副腎皮質ステロイド薬注入は術後の機能回復や術後数ヵ月時の疼痛など臨床結果に対する影響は明らかでない。
【Grade C】
術直後の疼痛抑制にはある程度の効果が期待できる。
背景・目的
腰椎椎間板ヘルニア後方手術における術後早期離床、早期社会復帰は、より小侵襲な手術法の改良により実現されてきている。 一方、術後の疼痛緩和や神経根刺激症状緩和のための新たな対策も、早期社会復帰への重要な課題である。 その方法の1つとして副腎皮質ステロイド薬の術中硬膜外投与も行われているが、その効果についての判定はいまだ十分ではない。
解 説
顕微鏡視下ヘルニア腫瘤摘出術の術終了前に硬膜管と神経根を副腎皮質ステロイド薬または生理食塩水で洗浄後閉創した2群の比較では、術後鎮痛剤の使用量、入院期間に差はみられず、術後の機能回復に有意差がみられなかった（DF02235, EV level 4）。 同様の設定で術後の疼痛をvisual analogue scaleで評価した研究でも術直後8病日までは副腎皮質ステロイド薬注入群で除痛効果が有意に良好であったが、術後6ヵ月時には生理食塩水注入群との間に疼痛に関する有意差はみられなかった（DF01538, EV level 4）。 case-control studyではあるが、副腎皮質ステロイド薬＋bupivacaineの硬膜外脂肪組織内への注入が、非注入例に比べ術後12時間以内での鎮痛薬の使用量において有意に少量であることが報告されている（DF00073 , EV level 6）。
文 献
| 1) | DF02235 | Lavyne M, Bilsky M：Epidural steroid, postoperative morbidity, and recovery in patients undergoing microsurgical lumbar discectomy. J Neurosurg 77：90-95, 1992 |
| 2) | DF01538 | Langmayr ZJ, Obwegeser A, Schwarz A et al：Intrathecal steroids to reduce pain after lumbar disc surgery：A double-blind placebo-controlled prospective study. Pain 62：357-361, 1995 |
| 3) | DF00073 | Mirzai H, Tekin I, Alincak H：Perioperative use of corticosteroid and bupivacaine combination in lumbar disc surgery：A randomized controlled trial. Spine 27：343-346, 2002 |
