(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第8章 大腿骨頚部/転子部骨折の周術期管理
8.5.導尿カテーテルと尿路感染率
8.5.導尿カテーテルと尿路感染率
■ Clinical Question 11
導尿カテーテルと尿路感染率
推奨
【Grade B】
術後3日間程度の期間であれば,膀胱内カテーテルを留置しても良い.
【Grade C】
これを超える場合には間欠的導尿を推奨する.
解説
術後3日間程度の期間であれば,カテーテル留置群と間欠的導尿群とには尿路感染率に差がないとする中等度レベルのエビデンスがある.
わが国では手術待機期間が長く,さらに長期間持続カテーテルが留置されることが多いが,大腿骨頚部/転子部骨折手術における,これらに関するエビデンスはない.しかしながら,長期間のカテーテル留置は膀胱炎の発生率を高めることが危惧される.
わが国では手術待機期間が長く,さらに長期間持続カテーテルが留置されることが多いが,大腿骨頚部/転子部骨折手術における,これらに関するエビデンスはない.しかしながら,長期間のカテーテル留置は膀胱炎の発生率を高めることが危惧される.
サイエンティフィックステートメント
![]() |
術後48〜72時間以内であれば,カテーテル留置群と間欠的導尿群とには尿路感染率に差がないとする中等度レベルのエビデンスがある(EV level II-1). |
エビデンス
![]() |
60歳以上の大腿骨頚部骨折患者67例において,術後48〜72時間膀胱カテーテル留置された群と,術直後から間欠的導尿を行った群では両群に尿路感染率に差は認められなかった.しかし,自排尿回復までの期間は間欠的導尿群が有意に短かった(F1F04805, EV level II-1). |
文献
1) | F1F04805 | Skelly JM, Guyatt GH, Kalbfleisch R et al:Management of urinary retention after surgical repair of hip fracture. CMAJ 1992;146:1185-1189 |