(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第6章 大腿骨頚部骨折の治療
6.3.治療の選択
6.3.2.骨接合術の術式選択と後療法
6.3.治療の選択
6.3.2.骨接合術の術式選択と後療法
■ Clinical Question 11
内固定材料には何を用いるべきか
推奨
【Grade A】
ハンソンピン,cannulated cancellous screw,sliding hip screw(CHSタイプ)を推奨する.
解説
ハンソンピン,cannulated cancellous screw,sliding hip screw(CHSタイプ)による術後成績に明らかな差はない.
サイエンティフィックステートメント
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各内固定材料間で骨癒合,合併症,死亡率に,有意差なしとする高いレベルのエビデンスがある(EV level I-1, EV level I-2, EV level II-1). |
エビデンス
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1984〜1997年の25編の論文のmeta-analysis.頚部骨折骨接合時の内固定材料(screw類,pin類,nail plate類)4,925例の比較で,合併症数はscrew類がpin類より優れている.内固定材料間で,死亡率,活動性に有意差なし.nail plateではslide plateの必要性を示したものなし(F2F03878, EV level I-2). |
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非転位例,impacted型にmodified Knowles pins(MKP)25例とcannulated cancellous screws(CCS)20例の使用比較.両群とも3例ずつ不可があり,予後に差はなかった(F1F04351, EV level II-1). |
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非転位型33例.3本のcancellous screw(CS)16例とCHS 17例とを比較した.両治療群間で有意差はないが,CSは技術的合併症が多かった.非転位型では骨接合後合併症は少なく,高齢者には適応がある(F1F05044, EV level II-1). |
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異なる3種(Ullevaal hip screw 3本,Olmed screw 2本,Tronzo screw 2本)の螺子固定の比較を行った.年齢は54〜97歳で607例を検討した.65歳以上では2年後の評価で3つの方法の間に差を認めなかった(F1F01993, EV level I-1). |
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転位型にsliding screw plate(SSP)+海綿骨screw固定118例とOlmed screw(OS)117例を比較検討した.3ヵ月以内でSSP群の19例,OS群の11例が人工物に置換された.両法とも成績不良率,再手術率が高かった(F1F02574, EV level I-1). |
文献