(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第6章 大腿骨頚部骨折の治療
6.2.偽関節,骨頭壊死およびlate segmental collapse(LSC)発生の術前予測
6.2.偽関節,骨頭壊死およびlate segmental collapse(LSC)発生の術前予測
■ Clinical Question 7
術中所見で予測できるか
推奨
【Grade C】
術中,骨頭からの出血の有無により骨頭壊死の発生を予測できる可能性がある.
サイエンティフィックステートメント
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骨頭からの出血の有無によって壊死発生の予測が可能であるとする低いレベルのエビデンスがある(EV level IV). |
エビデンス
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骨接合した64例の術中に,大腿骨頭に骨孔を作り,出血の有無と壊死の関係を調べた.評価はエックス線像で2年以上経過観察した.56例は出血し壊死はなく,8例は出血なく全例壊死を生じた(F1F02352, EV level IV). |
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cannulated screwにて内固定を行った大腿骨頚部骨折患者44症例において,手術時スクリュー刺入部からの出血の有無で出血群と非出血群の2群に分け,大腿骨頭壊死症(AVN)の発生との関連を検討した結果,出血群38例中1例(2.6%),非出血群6例全例(100%)でAVNが発生した.感度は86%,特異性は100%,positive predictive valueは100%,negative predictive valueは100%であった(F2F02578, EV level IV). |
文献