(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第6章 大腿骨頚部骨折の治療
6.2.偽関節,骨頭壊死およびlate segmental collapse(LSC)発生の術前予測
6.2.偽関節,骨頭壊死およびlate segmental collapse(LSC)発生の術前予測
■ Clinical Question 6
血管造影で術前予測できるか
推奨
【Grade C】
骨頭内静脈造影によって骨頭壊死の発生を予測できる可能性がある.
サイエンティフィックステートメント
![]() |
術前骨頭内静脈造影は壊死予測に有用との低いレベルのエビデンスがある(EV level III-2, EV level IV). |
エビデンス
![]() |
術前intraosseous phlebographyと骨内圧を124例に施行した.受傷時の骨頭内髄内血行が壊死の発生予測に有効であった(F1J00783, EV level III-2). |
![]() |
39例に術前,骨頭の経骨髄静脈造影を施行した.骨癒合,壊死の可能性が予測可能であった(F1J02382, EV level III-2). |
![]() |
103例を対象に,骨頭内静脈造影,骨シンチグラフィー,Garden分類を施行した.壊死の予見には骨頭内静脈造影の有用性が高かった(F1F04466, EV level IV). |
![]() |
73例に骨頭静脈造影を施行した.造影所見が悪い例で壊死発生率が高かった(80%)(F1J00264, EV level IV). |
![]() |
骨髄造影後に骨接合術を行い,1年以上の経過観察が可能であった49例(Garden stage II 16例,III 33例)を調査した.骨癒合に関しては,1例が偽関節,Garden stage IIからIII,type AからD(紫藤の分類)になるに従い時間がかかる傾向が見られた.LSCは12例に6ヵ月〜7年の間に出現している.LSCの発生率は,typeA群とB群間には有意差はみられなかったが,typeA,B群のほうがC,D群と比較し,有意に低かった(F2J00298, EV level IV). |
文献