(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第6章 大腿骨頚部骨折の治療
6.2.偽関節,骨頭壊死およびlate segmental collapse(LSC)発生の術前予測
6.2.偽関節,骨頭壊死およびlate segmental collapse(LSC)発生の術前予測
■ Clinical Question 5
骨シンチグラフィーで術前予測できるか
推奨
【Grade C】
術前の骨シンチグラフィーによって骨頭壊死の発生を予測できる可能性がある.
【Grade C】
術前の骨シンチグラフィーによって骨癒合不全を予測できる可能性がある.
サイエンティフィックステートメント
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骨シンチグラフィーで骨頭壊死の発生を予測できる可能性があるとする低いレベルのエビデンスがある(EV level IV). |
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骨シンチグラフィーで骨癒合不全を予測できる可能性があるとする低いレベルのエビデンスがある(EV level IV). |
エビデンス
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術前49例,術後1週の37例を対象に骨シンチグラフィーを施行した.uptakeは術前49例中16例で減弱し,内12例は転位型であった.偽関節,骨頭壊死は11/12例に発生した.術後例では17/24例で減弱し,内9例に合併症が発生した.骨シンチグラフィーは青壮年例での手術適応の決定,術後の合併症の発生の予測に有効である(F1F04854, EV level III-2). |
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59例に術前骨シンチグラフィーを施行した.骨接合例では骨頭のuptakeが部分的に減少し,骨頭上外方部に減少する例,骨頭全体に減少する例にLSCが高率に発生した(F1J01752, EV level IV). |
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DHS施行46例について骨癒合不全の予測における骨シンチグラフィーが有用かを検討した.術後2ヵ月でのuptakeの低下は骨癒合不全に関係するがspecificityは低かった.uptakeの増加,不変は合併症のない癒合を高いsensitivityで予測できる(F1F03877, EV level IV). |
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screw固定した40例に術前に骨シンチグラフィー施行した.平均年齢79歳(62〜94歳)であった.骨シンチグラフィーの結果は骨癒合不良の指標となった.術前の骨シンチグラフィーの結果が,骨接合か人工骨頭置換かの選択の指標となりうる(F1F04254, EV level IV). |
文献