(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第5章 大腿骨頚部/転子部骨折の診断
■ Clinical Question 5
臨床的に股関節周辺骨折を疑うが,エックス線単純写真で診断できない場合に,選択する検査は何か
推奨
【Grade Ia】
第1選択はMRIである.
【Grade Ib】
MRIが実施できない場合や禁忌の場合には,骨シンチグラフィーを第2選択とする
【Grade Ib】
日をおいて繰り返しエックス線単純写真を撮影することも有用である
【Grade Ib】
骨盤骨折との鑑別にはCTが有用である.
解説
大腿骨頚部/転子部骨折の診断は,図4のフローチャートに従って進めることを推奨する.

図4 大腿骨頚部/転子部骨折の診断フローチャート

図4 大腿骨頚部/転子部骨折の診断フローチャート
サイエンティフィックステートメント
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MRIが撮影できない患者に対して入院後,日をおいて繰り返し再度エックス線単純写真を撮影することと,その後骨シンチグラフィーやCTを撮影することで骨折を診断することができる(EV level C-II). |
エビデンス
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股関節部痛のため荷重歩行ができなくて,エックス線単純写真で骨折が判明しなかった31例を入院させ,翌日再度エックス線単純写真を撮り,骨折があれば手術を施行し,なければ2日後に再び撮影した.それでも不明なときは骨シンチグラフィーを行い,次にCTを撮影した.繰り返すエックス線単純写真と骨シンチグラフィーで10例の骨折が診断できた(F2F00466, EV level C-II). |
文献