(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第3章 大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子
3.1.骨に関連した危険因子
3.1.骨に関連した危険因子
■ Clinical Question 7
大腿骨の形態と骨折リスクとの関係
解説
【Grade B】
大腿骨頚部が長いことは大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子である.
サイエンティフィックステートメント
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大腿骨頚部が長いことは大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子とする中等度レベルのエビデンス(EV level R-II)と,頚部骨折のみの危険因子であるとする中等度レベルのエビデンス(EV level R-II). |
エビデンス
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前向きコホート研究(the Study of Osteoporotic Fracture)で,大腿骨近位部骨折を生じたものは,大腿骨頚部長が骨折しなかったものより有意に長く,大腿骨頚部長1SDの増加は,大腿骨近位部骨折のオッズ比増加(頚部骨折で1.9,転子部骨折で1.6)に有意に関連していた(F1F10053, EV level R-II). |
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一般高齢女性大規模前向き調査(EPIDOS)で検討すると,大腿骨頚部長は大腿骨近位部骨折のうち内側型骨折例は対照群より長く,年齢,体重,大腿骨近位部骨密度で補正したオッズ比は1.64と有意に増加していた.しかし,外側型骨折は差がなく,大腿骨頚部長は大腿骨頚部内側骨折の予測因子であった(F1F10054, EV level R-II). |
文献