(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第3章 大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子
3.1.骨に関連した危険因子
3.1.骨に関連した危険因子
■ Clinical Question 4
骨代謝マーカーの高値は危険因子か
解説
【Grade B】
骨代謝マーカーの高値は危険因子である.
サイエンティフィックステートメント
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骨吸収マーカー[尿中I型コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx)や遊離型デオキシピリジノリン(D-Pyr)など]や骨形成マーカー[血清非カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)]の高値は,大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子である(EV level R-II). |
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骨代謝マーカー高値と大腿骨近位部骨密度低下を組み合わせると大腿骨頚部/転子部骨折予測能が高まる(EV level R-II). |
エビデンス
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一般高齢女性大規模前向き調査(EPIDOS)の22ヵ月の観察で,血清非カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)上昇のあった者は大腿骨近位部骨折のオッズ比(OR)が1.9であった.この結果は,大腿骨近位部骨密度と歩行速度で補正しても変わらず,さらにucOC高値かつ大腿骨近位部骨密度低値の女性のORは5.5とさらに高かった.ucOCは骨密度と独立して高齢女性の大腿骨近位部骨折リスクを予測する((F1F10050, EV level R-II). |
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EPIDOSの22ヵ月の観察で,CTxとD-Pyrが高値だった者は大腿骨頚部骨折のORが2.2および1.9と高かった.この結果は,大腿骨近位部骨密度と歩行速度で補正しても変わらず,さらにCTxあるいはD-Pyrが高値かつ大腿骨近位部骨密度低値の女性のORは4.8,4.1とさらに高かった(F1F10051, EV level R-II). |
文献