(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第3章 大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子
3.1.骨に関連した危険因子
3.1.骨に関連した危険因子
■ Clinical Question 2
骨密度の測定部位はどこが最も良いか
推奨
【Grade B】
大腿骨近位部が最も良い.
サイエンティフィックステートメント
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大腿骨頚部/転子部骨折の予測能は,骨密度測定部位のうち大腿骨近位部が最も高い(EV level R-I, EV level R-II). |
エビデンス
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1985〜1994年までの前向きコホート研究のmeta-analysisによれば,約90,000例・年と2,000例以上の骨折を含む11研究を解析したところ,どの部位の骨密度測定も1SD低下で同じような予測能を有していた.大腿骨近位部骨折の相対危険度は,橈骨遠位端骨密度で1.8,腰椎骨密度で1.6,大腿骨近位部骨密度で2.6であった.このように,大腿骨近位部の測定は,大腿骨近位部骨折をより良く予測できた(F1F03045, EV level R-I). |
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65歳以上の8,134例の女性における65例の大腿骨頚部骨折発生を前向きに1.8年調査した研究では,大腿骨頚部BMDは脊椎,橈骨,踵骨のBMDに比較して大腿骨頚部骨折とより高い相関を有していた(F1F10045, EV level R-II). |
文献