(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)

 
 
前文
1 ガイドラインの作成手順


1.2 作成手順

➊章とクリニカルクエスチョンの設定
章の設定は,初版と同じく,骨折の分類,疫学,危険因子,予防,診断,治療(頚部骨折,転子部骨折),周術期管理,リハビリテーション,退院後の管理までの10章とした(表1).クリニカルクエスチョンを見直し6件を削除,2件を1件に統合し,3件を新たに追加した.

表1 章分け
表1

➋文献の選択
初版では1990年以降2002年7月までの文献を網羅的に検索したので,今回の改訂に当たっては2002年8月から2007年10月までの文献を初版と同じ表2の検索式に基づいて検索した.その結果ヒットした11,528件について,小児・青年期のみの文献および動物実験の文献を除き,MEDLINE から7,796件,Cochrane Centralデータベースから27件,医学中央雑誌から3,533件を抽出した.次いでこれらの文献を骨折の分類,疫学,危険因子,予防,診断,治療(頚部骨折,転子部骨折),周術期管理,リハビリテーション,退院後の管理の各章に分け,各章担当者が一次選択を行った.

表2 文献検索式
表2

最終的には外国語文献600件,日本語文献278件が選択された.また,一次選択文献に含まれなかった文献のうち,クリニカルクエスチョンに対して必要と思われる文献を章担当者が選択・追加した.これらの選択されたすべての論文に関して,査読担当者が文献内容を吟味しクリニカルクエスチョンに対するアブストラクトフォームを作成した.初版で採用された文献についても必要に応じて再検討した.その後,章担当者がアブストラクトフォームと原文献とを参照・評価して,本ガイドラインに必要な文献をエビデンスレベルの高い順に選択した.その結果,本ガイドラインに追加採用された文献は,外国語文献136件,日本語文献27件であり,合計,外国語文献387件,日本語文献83件となった.
なお第2章(大腿骨頚部/転子部骨折の疫学)については,校正中に最新データが出版されたため外国語文献2件をさしかえて収載した.

➌エビデンスレベル
治療に関するエビデンスレベルは研究デザインをより詳細に考慮して表3に示すとおり,「質の高いランダム化比較試験(RCT)で,統計学的な有意性に関係なく,信頼区間が狭いもの(I-1)」から「ケースシリーズ(IV)」までの10階層プラス1のランク付けに変更した.エビデンスレベルIを高いレベルのエビデンス,IIを中等度レベルのエビデンス,III,IVを低いレベルのエビデンスとした.十分なエビデンスがないクリニカルクエスチョンについては,本ガイドライン改訂委員会の意見をエキスパートオピニオン(V)とした.介入が関与しないクリニカルクエスチョン(危険因子,診断)では,エビデンスレベルを別に設定した.

表3 エビデンスレベル
表3

➍サイエンティフィックステートメントおよび推奨
以上の過程を経て各章担当者がサイエンティフィックステートメントを作成した.サイエンティフィックステートメントとは収集されたエビデンスを端的にまとめたもので,エビデンスはレベルの高いものから採用した.サイエンティフィックステートメントに従って,「推奨」を本ガイドライン改訂委員会で協議して作成し,「推奨」のみでは不十分であると考えられる場合には,必要に応じて「解説」を加えて,「推奨」内容の補足説明を行った.推奨Gradeは表4に従った.

表4 推奨Grade
表4





 

 
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