EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
III 尿失禁診療ガイドライン |
3. 切迫性尿失禁の治療
(2) 薬物治療
3)三環系抗うつ薬
塩酸イミプラミンなどの抗うつ薬がその抗ムスカリン作用により尿失禁の治療に使用されることがある。
高齢尿失禁患者19名に対するプラセボとの二重盲検試験ではイミプラミン群では14名で、プラセボでは6名で改善をみたと報告されている96)。また、105名の切迫性尿失禁のある女性で、鎮痙薬内服群と鎮痙薬およびCaチャンネルブロッカー内服群、イミプラミン内服群の比較を行った報告では、鎮痙薬内服群が副作用は最も少なかったが、効果は最も少なかったとの報告を認める97)。
同系の薬剤では、塩酸クロミプラミン、塩酸アミトリプチリンがある。