EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
III 尿失禁診療ガイドライン |
3. 切迫性尿失禁の治療
(1) 下部尿路リハビリテーション
<2> 電気刺激療法(体内電極移植法を除く)
切迫性尿失禁に対する電気刺激療法の有用性に関しては4つの無作為コントロール試験が行われており、そのいずれにおいても有意な効果が報告されている64,65,66,67)。これらの臨床試験における症例数はそれぞれ22例、121例、47例、68例であり、刺激部位については2件が経腟的電気刺激、1件が恥骨あるいは仙骨領域の経皮的電気刺激、1件が腟内および肛門内に電極を挿入しての刺激である。観察期間については、最長のもので8.4カ月である。
切迫性尿失禁に対する電気刺激療法については、今後、刺激条件・刺激部位に関する至適条件ならびに長期にわたる有用性の有無を追求した無作為コントロ-ル試験が必要である。なお、わが国では本治療法は保険適応となっていない。