EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン

 
III 尿失禁診療ガイドライン
女性尿失禁診療ガイドライン

2. 腹圧性尿失禁の治療
(1) 下部尿路リハビリテーション

2)治療成績

<1> 骨盤底筋訓練法
骨盤底筋訓練法は、腹圧性尿失禁の非外科的治療として有用であり、無治療群とのRandomized Controlled Trial(RCT)では有意な改善が認められた24)
骨盤底筋訓練法において指導者による集中的な訓練を導入すると、自宅での訓練のみの群と比較して、1カ月目では両群に差はないが、6カ月後の尿禁制については自覚的・他覚的ともに集中訓練施行群でのみ有意に改善した18)。また骨盤底筋訓練法にバイオフィードバック法による補助療法を加えると骨盤底筋訓練法単独よりも効果が高い19,24,25)。腟内コーン使用については同時に骨盤底筋訓練法を施行する場合が多い。腟内コーンの単独療法としては治療後に尿失禁の改善は認めるが、指導者による骨盤底筋訓練法群との比較では、骨盤底筋訓練法群の方が有意に優れた26)

<2> 膀胱訓練法
膀胱訓練法は腹圧性尿失禁単独症例での検討が少ない。腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁および混合型尿失禁症例を統合した集団での検討では尿失禁頻度の減少が認められる27)

<3> 骨盤底筋電気刺激療法
骨盤底筋電気刺激療法はsham電極群とのRCTで尿失禁の改善を認めるが、必ずしも有意な結果が得られてはいない22,28,29,30)。一方、電気刺激療法群と骨盤底筋訓練法群、腟内コーン治療群、無治療群のRCTでは、骨盤底筋訓練法のみが有意に優れた改善率を示した26)。骨盤底筋訓練法に電気刺激療法を併用することの有用性に関しては、sham電極併用群との比較で電気刺激療法を併用した群で尿失禁の頻度が有意に改善した31)
 
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