EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
III 尿失禁診療ガイドライン |
2. 腹圧性尿失禁の治療
(1) 下部尿路リハビリテーション
女性腹圧性尿失禁の治療カテゴリーのひとつに下部尿路リハビリテーションがあげられる。主なものとしては、 (1) 骨盤底筋訓練法、(2) 膀胱訓練法、(3) 骨盤底筋電気刺激療法、(4) 生活指導、があり、単独あるいは複数の手法の組み合わせで行われる。
現時点では、下部尿路リハビリテーションは腹圧性尿失禁にまず行うべき治療法とされるが、重症度別に外科的治療と下部尿路リハビリテーションなど非外科的治療のいずれを選択すべきかを検討した報告は現在のところない。また、わが国においては尿失禁に対する下部尿路リハビリテーションの保険点数が定められていない、治療補助のために必要な医療機器に未認可のものがある、という問題点がある。