EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
III 尿失禁診療ガイドライン |
3. 治療
(4) その他の治療法と補助器具
<9> 飲水と食事
便秘は、高齢者の尿失禁の程度を悪化させる。適正な食物繊維と水分の摂取により、便秘を改善することができる。(証拠の強度 : C)
お茶、コーヒーに含まれるカフェインの利尿効果により、膀胱が急速に充満し尿失禁が生じることがある。水分制限により尿失禁が改善することはなく、便秘になる可能性があるばかりでなく、脱水となる可能性もある。食物繊維を多く含む食事摂取と十分量の飲水が重要である。Dowdら(1996)は、32人の女性を対象に通常より500mL飲水量を増やす群、通常と同じ群、300mL減らす群に無作為に分け検討し、有意差は認めないものの飲水量を増やすことの重要性を強調している76)。