EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
II 尿失禁の基礎知識 |
5. 治療
(1) 生活指導
腹圧性尿失禁の生活習慣における危険因子である肥満、便秘、飲水過多などの改善についての指導、切迫性尿失禁においては、早めにトイレに行く習慣、速やかに着脱可能な着衣の工夫、トイレ環境の整備など日常生活での一般的な指導を行う。痴呆や身体運動障害を伴うことの多い高齢者においては、尿意・排尿間隔・排尿動作・トイレ環境のチェックなどを行い、時間排尿誘導、排尿訓練などの行動療法を行う。パッド、おむつなどの使用は、あくまで補助的なものであり、特に高齢者における安易なおむつや尿道留置カテーテルの使用は治療機会の喪失、QOLの低下、寝たきり状態の誘発につながるので、適応については慎重に検討すべきである。