EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン

 
II 尿失禁の基礎知識
尿失禁の基礎知識

2. 病態  (表1)

尿失禁は、病態に基づく分類により、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、 溢流性尿失禁、機能性尿失禁、反射性尿失禁に分類される。さらに特殊な尿失禁として、尿道外尿失禁と小児夜尿症が加わることがある。尿道外尿失禁は尿管異所開口や膀胱腟瘻などにより腟から尿が漏れるものをいい、また小児における夜尿症は種々の病態を包括するものであるが広い意味で尿失禁の分類のひとつに入る。

表1 EBMに基づく診療ガイドライン作成の手順
尿失禁タイプ病態基礎疾患
腹圧性尿失禁尿道過可動・加齢・分娩・骨盤内手術・先天性骨盤底形成異常
内因性尿道括約筋不全・放射線治療・尿失禁手術・婦人科手術
・萎縮性尿道炎(エストロゲン低下)・特発性
切迫性尿失禁排尿筋過活動・脳血管障害・パーキンソン病・多発性硬化症、など
・加齢・尿路感染・特発性
いつ流性尿失禁下部尿路閉塞・前立腺肥大症・尿道狭窄、など
排尿筋低活動・糖尿病性ニューロパシー・骨盤内手術(直腸癌・子宮癌)
・腰部椎間板ヘルニア、など
機能性尿失禁トイレへの移動障害・痴呆・ADL障害・寝たきり
反射性尿失禁排尿筋過活動・高位脊髄損傷、など
その他 : 尿道外尿失禁、小児夜尿症
 
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