「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」厚生科学研究補助金(21世紀型医療開拓推進研究事業:EBM分野)

 
II. 総括研究報告書
 
I.はじめに
 
人口の高齢化は白内障罹患率の上昇に拍車をかけている。 一方では糖尿病や眼疾患に伴う白内障の発生も見られることから、白内障患者は増加を続けている。 白内障患者を正しく管理するために、原因の特定と水晶体混濁形態の正しい診断ならびに的確な治療法の選択が要求される。 しかし、これらの課題が解決されないままであって、その上、白内障は経過が比較的に緩慢な疾患なこともあって、診断ならびに治療に対する基本的指針がない状態である。 白内障による視力障害への対応には診断、予防そして治療方針に対する基本的指針の作成が必要とされる。 眼科医以外の医師あるいは一般人であっても、高齢者の視力低下は白内障を連想する程に多い疾患であるからこそ科学的根拠に基づいた適切な診療ガイドラインの策定が望まれるのである。 診療は科学的根拠(evidence)に基づいた行為だけでなく、医師の知識・経験と患者の価値観などから成り立っている。 したがって、ガイドラインが全てではない。 診療ガイドラインは診療の60〜90%に適合するように作成されており、診療をガイドするものであって、リードするものでなく、そして診療を支配するものでもない。 本ガイドラインは現時点で報告されているレベルの高い文献を基に作成されたもので、常に進歩している眼科診療にあわせて改訂を重ね白内障診療ガイドラインの完成を目指す必要がある。

 

 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す