(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-
第1部 胃潰瘍の基礎知識 |
1.疫学
2)有病統計
推計総患者数は1970年の508,000人から1996年の1,080,000人まで一貫して増加傾向にあったが,最近では,1999年は965,000人,2002年は782,000人と減少傾向がみられている。胃集検による胃潰瘍の発見率は年によってばらつきはあるものの,およそ1〜2%で,最近ではわずかながら漸減傾向がみられている(図2)。患者調査による受療率の増加を説明するものとして,健康保険制度の整備による受療機会の増加,診断の進歩などがあげられる一方,最近の受療率や胃集検による発見率の漸減傾向の背景として,対象集団におけるHelicobacter pylori (以下H. pylori )非感染者の割合の増加が推定される。
図2 胃集団検診における胃潰瘍の発見率の推移
![]() |
資料:消化器集団検診全国集計 |