(旧版)科学的根拠に基づく 乳癌診療ガイドライン 1 薬物療法 2004年版

 

Research Question 37
男性乳癌の治療は何が推奨されるか


【背景・目的】

疫学と病態の特徴
男性の乳癌罹患率,死亡率は女性患者の1%程度の頻度である。好発年齢は,60歳台後半,女性に比べ10歳程度高齢者に発症する1)。発症の危険因子は,睾丸疾患(停留睾丸,睾丸炎の既往,外傷),慢性肝疾患(肝硬変,アルコール性肝炎),乳房病変(女性化乳房,乳頭分泌,嚢胞),胸壁放射線照射の既往などである2)。1度の親族に女性乳癌患者がいる場合の乳癌発症のオッズ比3.98,男性乳癌患者の約15〜20%は家族歴を有する3)。組織型は女性乳癌と同様であるが,女性乳癌と比べER,PgR陽性率が高い。HER2発現頻度に差はない4)

予後
男性乳癌患者の予後は女性乳癌患者と比べて大きな差はない。従来,男性乳癌は進行癌がより多く,ステージの進んだものが多いので予後不良と考えられてきた。しかし,最近の報告(54例,97例)では,stage 0〜1が全体の43〜50%を占め,腋窩リンパ節転移陰性例も45〜62%と進行例がそれほど多くはないという報告がある5),6)。女性乳癌患者と予後を比較した比較的最近のデータで背景となる予後因子を調整すると,女性乳癌と無病生存率,全生存率ともほとんど差がないことが報告されている7),8)

 

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