(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
付録:メタボリックシンドローム


6.メタボリックシンドロームの治療

メタボリックシンドローム治療の目的は,心血管疾患と2型糖尿病の予防である.メタボリックシンドロームを合併した心血管疾患患者および2型糖尿病患者については,おのおのの治療ガイドラインに基づいた治療方針を立てる必要がある.個々の危険因子の管理目標に関してはデータがないが,カットオフ値を超えないことを目標とする.
メタボリックシンドロームの治療で中心をなすのは,食事療法や運動療法,禁煙といった生活習慣の改善である.厳格な生活習慣の改善により,メタボリックシンドロームのすべての構成要素に改善が認められる31),32).IGTを対象としたDPP(Diabetes Prevention Program)では,登録患者の53%がメタボリックシンドロームであったが,7%の体重減少と週150分以上の運動療法を目標とした生活習慣改善群は,プラセボ群に比べてメタボリックシンドロームの改善とメタボリックシンドロームの発症の抑制が認められている31),32).運動療法単独でも糖脂質代謝異常および血圧上昇の改善は認められるが,体重減少を伴うことによりその効果は増強される33),34).5〜10%の体重減少でもメタボリックシンドロームの有意な改善が認められる.また,メタボリックシンドローム患者に運動療法を処方する際には,メディカルチェックを行い,潜在的な心血管疾患の合併に注意を払う必要がある32)
食事内容もメタボリックシンドロームに影響を及ぼす.地中海食やDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食のような飽和脂肪酸摂取を減らし,全粒粉や果物,野菜などの摂取量を増やし,塩分摂取を制限した食事はメタボリックシンドロームを改善させる35),36).ただし,果物の過剰摂取は,高血糖や高トリグリセリド血症を増悪させる可能性もあるので注意が必要である.
高血圧,高脂血症,糖尿病と診断された場合には,おのおのの治療指針に準ずる.


 
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