(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
21.2型糖尿病の発症予防


ステートメント

1.スクリーニングが必要な対象者 グレードA
糖尿病の家族歴のある人,妊娠糖尿病や巨大児出産の既往のある人,境界型の人,過体重・肥満のある人,脂質代謝異常,高血圧の人は,2型糖尿病のスクリーニングが必要である. コンセンサス
肥満は2型糖尿病の強力な発症促進因子である.肥満の範疇に入らないような軽度のBMIの増加(いわゆる過体重)も糖尿病のリスクを高める6),7),8). レベル3


2.生活習慣の指導 グレードA レベル1
ハイリスク者に対しては,食事と運動を中心とした生活習慣の修正を行う.肥満した耐糖能異常者では,生活習慣の修正により2型糖尿病の発症を遅延あるいは予防することができる36),37),38),39),40),41),42),43),44),45),46),47)


3.運動習慣の指導 グレードA レベル3
運動習慣は体重減少による効果とは別に2型糖尿病の発症を予防する効果がある13),14),15),16),17),18),19)


4.喫煙,アルコール習慣の指導 グレードB レベル3
喫煙27),28),29),30),31),適量を超えたアルコール摂取32),34)の習慣は,それぞれ独立した危険因子である.逆に,植物油(多価不飽和脂肪酸に富む)20),21),26),穀物繊維20),21),22),23),24),25),26)の摂取は糖尿病発症の予防因子とされている.


5.薬物療法による2型糖尿病の予防 グレードA レベル1
ハイリスク者に対する経口血糖降下薬(ビグアナイド薬,αグルコシダーゼ阻害薬)は2型糖尿病の発症を遅らせる効果がある49).ただし本邦では保険適用はない.高血圧者に対する降圧薬(ACE阻害薬,ARB)の投与は糖尿病の発症を遅延させる効果があるb)

 
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