(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
20.糖尿病の療養指導・患者教育
解説
4.チームアプローチによる水準の維持
糖尿病医療の進歩に伴い,継続治療への心理的支持,治療技術が多様化し,各医療専門職の受け持つ範囲が広がり,他の専門分野との境界領域がお互いに重なることがある.一方,各専門職種の専門性は深くなった.
チームのリーダーは治療上の最終責任を持つ医師である.チームの形式はその医療機関の規模,社会的・地理的特性により異なる.大切なことは療養指導の方法,実施手順,評価について,チームとしてあるいは一医療施設としての統一見解をもつことである.チームには看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士らが参画する.以上は日本糖尿病療養指導士の有資格職種であるが,米国では臨床心理士,ソーシャルワーカーらも参加する16).療養指導を担当する各職種はチームの中で欠落する部分がないように役割分担を決定し,分担した範囲における療養指導の責任を持つ.
患者中心の医療のために,そして多様な指導内容と評価の活用に,チームアプローチが必要である.各専門職種からなる学際的チームにおいて,自己の職種を超えて概論を説明することは可能である16).しかし,各論については各職種の専門性を尊重し専門職に具体的で詳細な指導を依頼する.特に,医療法を考慮し,コメディカルにその法的規制を越えることをさせてはならない.
療養指導はチーム内の専門家の目を通した情報の収集,個々の症例を評価し,おのおのに特化した指導ができる体制が必要である19).チームの活動は,各専門職種の能力にかかっている.国内外を問わず,患者教育における診療連携の重要性とその効果を示す報告は多い.各学会あるいは関係機関が示すガイドラインを補強する中核の医療機関が必要である.また,ガイドラインには地域特有の条件に対応したhospital-based diabetes managementの必要な部分もある20),21),22).
チームのリーダーは治療上の最終責任を持つ医師である.チームの形式はその医療機関の規模,社会的・地理的特性により異なる.大切なことは療養指導の方法,実施手順,評価について,チームとしてあるいは一医療施設としての統一見解をもつことである.チームには看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士らが参画する.以上は日本糖尿病療養指導士の有資格職種であるが,米国では臨床心理士,ソーシャルワーカーらも参加する16).療養指導を担当する各職種はチームの中で欠落する部分がないように役割分担を決定し,分担した範囲における療養指導の責任を持つ.
患者中心の医療のために,そして多様な指導内容と評価の活用に,チームアプローチが必要である.各専門職種からなる学際的チームにおいて,自己の職種を超えて概論を説明することは可能である16).しかし,各論については各職種の専門性を尊重し専門職に具体的で詳細な指導を依頼する.特に,医療法を考慮し,コメディカルにその法的規制を越えることをさせてはならない.
療養指導はチーム内の専門家の目を通した情報の収集,個々の症例を評価し,おのおのに特化した指導ができる体制が必要である19).チームの活動は,各専門職種の能力にかかっている.国内外を問わず,患者教育における診療連携の重要性とその効果を示す報告は多い.各学会あるいは関係機関が示すガイドラインを補強する中核の医療機関が必要である.また,ガイドラインには地域特有の条件に対応したhospital-based diabetes managementの必要な部分もある20),21),22).