(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
20.糖尿病の療養指導・患者教育
ステートメント
1.患者教育,療養指導の有用性

2.チームによる療養指導

3.専門研修を受けた療養指導士の活用

糖尿病教育の専門研修を受けた看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士などのスタッフによる療養指導は患者の知識,技術,態度(意欲,姿勢),満足度,QOLの向上に効果的である2),13),19),44).
4.一定水準を保つ標準的指導カリキュラム

患者の生活環境に関係なく指導内容が患者に理解されることが重要である11). レベル2
個々の患者に合わせたきめ細かい個人指導が望ましい.その一部として集団指導が利用できる.そのためには一定水準を保つ標準化された集団指導プログラムを持つ必要がある12),20),22). レベル3
個々の患者に合わせたきめ細かい個人指導が望ましい.その一部として集団指導が利用できる.そのためには一定水準を保つ標準化された集団指導プログラムを持つ必要がある12),20),22). レベル3
5.知識を利用できるような具体的指導

6.血糖自己測定
自己血糖測定はすべての糖尿病患者の自己管理と代謝コントロールのために必要であると認められている.自己血糖測定指導に際して,測定時,測定値の考え方はもとより,各測定器の特徴を熟知したうえで指導することが望ましい27).
レベル2
1型糖尿病:血糖自己測定はすべての1型糖尿病で血糖コントロールを維持する上で必要である3).
レベル1
2型糖尿病:血糖自己測定は多くの2型糖尿病で血糖コントロールの改善と患者教育の上で有用である4),28).
レベル2+
妊娠糖尿病および糖尿病合併妊娠:血糖自己測定は多くの妊娠糖尿病および糖尿病患者の妊娠時には厳格な血糖管理のために必須である5).
レベル2
無自覚低血糖:低血糖症の自覚症状が乏しい,あるいは欠如した患者を安全に治療するには,自己血糖測定が必須であり,低血糖に対処するプログラムにより指導する必要がある29),30).
症例を選択して血糖自己測定の成績を電話やインターネットで医療機関と結び迅速に対応し,代謝コントロールの向上を図ることができる33),35),36),37).
レベル3

1型糖尿病:血糖自己測定はすべての1型糖尿病で血糖コントロールを維持する上で必要である3).

2型糖尿病:血糖自己測定は多くの2型糖尿病で血糖コントロールの改善と患者教育の上で有用である4),28).

妊娠糖尿病および糖尿病合併妊娠:血糖自己測定は多くの妊娠糖尿病および糖尿病患者の妊娠時には厳格な血糖管理のために必須である5).

無自覚低血糖:低血糖症の自覚症状が乏しい,あるいは欠如した患者を安全に治療するには,自己血糖測定が必須であり,低血糖に対処するプログラムにより指導する必要がある29),30).
症例を選択して血糖自己測定の成績を電話やインターネットで医療機関と結び迅速に対応し,代謝コントロールの向上を図ることができる33),35),36),37).

7.自己管理能力の向上

治療の効率と安全性確保のために:治療の選択に関する情報,治療による転帰情報を患者と共有しなければならない22),23),24).
患者のエンパワーメント:患者をエンパワーするということは,患者が自らの能力で自己管理できる判断力を開発することである.その基本は患者の生活と心理を理解し,細部にわたる援助を行うことである8),21),26),43).
患者のエンパワーメント:患者をエンパワーするということは,患者が自らの能力で自己管理できる判断力を開発することである.その基本は患者の生活と心理を理解し,細部にわたる援助を行うことである8),21),26),43).
8.医師・療養指導士への良好なアクセス

療養指導の環境として,参加しやすいこと,頻回であることなどが重要である.特に高齢者には地理的アクセスのよさが重要である9),32),44).
療養指導,カウンセリングに電話やインターネットを利用することは,患者とのアクセスの向上になる34),36),39).
療養指導,カウンセリングに電話やインターネットを利用することは,患者とのアクセスの向上になる34),36),39).
9.実践的マニュアルの導入
実践的なマニュアルは学会が示すガイドラインを実際に導入する際の手段であって,診療上の公式ルールブックとしてケアの標準化に役立つ40),41). 
日本糖尿病学会編『糖尿病治療ガイド』はevidenceから得られた成績を基にして制作された本ガイドラインなどを基本にして記述・編纂された.
実践的なマニュアルの利用は専門医との連携と同様な意味を持ち,得られた方針を個別化し,チームのコンセンサスを得ながら,患者のニーズに合わせる39),42),44).
レベル2


実践的なマニュアルの利用は専門医との連携と同様な意味を持ち,得られた方針を個別化し,チームのコンセンサスを得ながら,患者のニーズに合わせる39),42),44).

10.療養指導の評価

療養指導の直接評価は患者の知識・技能の向上,行動の変容などを観察し,試問することによって行われるが,検査値のみならず,患者自身によるQOLの改善の評価が重要である.最終的には医学データの改善や検査上の指標をもって行われる40),41).