(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
19.糖尿病と膵臓・膵島移植


解説

3.膵島移植
膵島移植は,提供膵臓から膵島を単離したうえでレシピエントに移植する方法であり,臓器移植ではなく組織移植である.諸外国では脳死ドナーからの移植であるのに対し4),日本では主として心停止ドナーからである5).生体ドナーからの実施例もある6)
2000年に催糖尿病作用のあるステロイドを使わず,新たな免疫抑制薬であるシロリムスと少量のタクロリムスを用いたエドモントンプロトコールが発表されて以降,膵島移植の実施数が急増し,欧米ではすでに400症例以上に実施されている.
エドモントンプロトコールによる膵島移植5年後の追跡調査では,約80%の症例がCペプチド陽性であったが,インスリン離脱状態を維持していたのは約10%の症例であった4).したがって,現時点ではまだ研究途上の治療である.
日本においても2004年に心停止ドナーからの膵島移植が始まり,10症例に実施され,血糖コントロールには大きな利点があることが示されているが5),日本ではインスリンフリー状態の継続する生着の結果はまだ報告されていない.

 
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