(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
17.高齢者の糖尿病


解説

2.高齢者糖尿病の診断
加齢とともに耐糖能は低下するが,高齢者における糖尿病の診断を若・壮年者と異なる基準値を用いるほうが妥当であることを科学的根拠をもって明らかにした報告はない.したがって,高齢者においても糖尿病の診断は成人と同様の手順および基準値を用いて行うべきと考えられる.
空腹時血糖値と比較し糖負荷後血糖値は加齢とともに高値となる傾向が顕著であり1),空腹時血糖値では糖尿病と診断されなくても,糖負荷後高血糖から糖尿病と診断される症例の頻度が高くなる13).糖負荷後高血糖は若・壮年者では大血管症および糖尿病細小血管症の重要な危険因子であることが明らかになりつつあるが,高齢者においても冠動脈死14),15)あるいは全死亡15),16)の重要な危険因子のひとつとされている.したがって,高齢者の糖尿病の診断には糖負荷試験を実施することが望ましく,糖負荷後高血糖を看過すべきではない.

 
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