(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
15.糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病


解説

5.血糖管理目標
血糖管理目標値として食前血糖値100mg/dL以下,食後2時間血糖値120mg/dL以下を採用したが,食後1時間血糖値については140mg/dL以下を目標としてコントロールすると周産期合併症が低下する23)という報告があり,空腹時血糖値が95mg/dL以上では巨大児の頻度が上昇する24)という報告もある.平均血糖値では105mg/dL以上で過体重児が増え,86mg/dL以下で低体重児が増えるという報告10)がある.
最近,GDMに対する治療に関しRCTの報告25)がなされた.その結果,治療介入により,周産期死亡(死産や新生児死亡)や周産期合併症(肩甲難産,骨折,神経麻痺)の発症率を低下させることができ,巨大児の発症も低下させることが判明した.また母体では産後3ヵ月時のQOLの程度も向上することが明らかとなった.ただし,本報告で用いられたGDMの診断基準はブドウ糖負荷試験の負荷前値が140mg/dL未満かつ2時間値が140〜200mg/dLを用いており,わが国のGDMの診断基準と異なることに注意すべきである.


 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す