(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
14.糖尿病に合併した高脂血症
ステートメント
1.糖尿病患者の高脂血症治療の意義

糖尿病患者の高脂血症は積極的に治療する.糖尿病は心血管疾患発症の独立した強い危険因子である1),2),3),4),5),6).糖尿病に合併する高脂血症は心血管疾患のリスクをさらに高めるが,その是正により心血管イベントを減らすことができる14),21),22).
2.脂質の管理の目標

管理目標値にしたがって高脂血症を治療する(表1)6),7),20),23),24),25).
表1 糖尿病患者の脂質管理目標値
TC:総コレステロール,LDL-C:LDLコレステロール,HDL-C:HDLコレステロール,TG:中性脂肪.
(早朝空腹時の採血による)
表1 糖尿病患者の脂質管理目標値
冠動脈疾患 | 脂質管理目標値(mg/dL) | |||
TC | LDL-C | HDL-C | TG | |
なし | <200 | <120 | ≧40 | <150 |
あり | <180 | <100 | ≧40 | <150 |
(早朝空腹時の採血による)
3.生活習慣の改善の有効性

食事と運動療法により糖・脂質代謝の改善が期待される26).
4.薬物療法

生活習慣・血糖コントロールが改善しても脂質管理目標を達成できない場合には薬物療法を考慮する.
高LDLコレステロール(LDL-C)血症の薬物療法はスタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)を第一選択とする18),19),20),21),22),23),24),25).
高中性脂肪血症に対しては,フィブラート系薬剤を第一選択とする27),28).
高LDLコレステロール(LDL-C)血症の薬物療法はスタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)を第一選択とする18),19),20),21),22),23),24),25).
高中性脂肪血症に対しては,フィブラート系薬剤を第一選択とする27),28).