(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
13.糖尿病に合併した高血圧


解説

1.血圧の測定
糖尿病患者の血圧測定にあたっては,少なくとも5分間以上の安静後に座位で測定し,1〜2分の間隔をおいて複数回血圧を測定し,安定した値(測定の差が5mmHg未満)を示した2回の平均値を血圧値とする.起立性低血圧を呈する症例もあるため,臥位や立位の血圧も測定すべきである.家庭での血圧は診察室より低めになることが多く,診療の参考にすべきであるが,長期予後との関連を示す成績はまだ多くはない31).2004年に発表された日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2004a)では,家庭血圧による高血圧の基準を135/85mmHg以上とし,125/80mmHg未満を正常血圧の基準としている.糖尿病性細小血管症の予測には,診察室の血圧より家庭で起床時に測定した血圧のほうが強く関連することが報告されている32).家庭血圧計は広く普及しており,糖尿病患者においても,血糖の自己測定に加えて家庭血圧の測定を勧めるべきであろう.日本高血圧学会から出されている家庭血圧の測定条件を表1に示しておくd)


表1 家庭血圧の測定法*
起床後1時間以内で排尿後
座位1〜2分間の安静後
朝食前服薬前
就寝前
座位1〜2分間の安静後
 * :それぞれの機会に少なくとも1回は測定する.測定したすべての値を記録させる.


 
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