(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
12.糖尿病に合併した肥満
解説
4.薬物療法
肥満糖尿病では,食事・運動療法が不十分な場合には,インスリン,スルホニル尿素薬の併用により体重がさらに増加しやすい7),8).また,チアゾリジン薬も食事療法が遵守できない例では,体重増加(副作用の浮腫とは別に)が起こりやすいので注意を要する.メトホルミンなどのビグアナイド薬は体重の変動が少なく,肝腎障害,呼吸器障害,心不全などのない肥満糖尿病患者では試みるべき薬剤であるが9),わが国では使用が低用量に設定されており効果が上がらないことも多い.マジンドールは高度肥満者(BMI 35以上)に適応があり緩やかな体重減少が期待できるが10),薬理効果がアンフェタミン類(覚醒剤)と似ていることから効果が十分でない上に依存性や不眠,便秘などの副作用の発現,薬剤耐性の出現がみられ,臨床的に有用でないことが多い.
減量後の体重を継続的に維持することは困難な場合も多く,減量目標は耐糖能の改善がみられる無理のないレベルとし,減量前体重の約5%前後を目安としつつ徐々に行う.
減量後の体重を継続的に維持することは困難な場合も多く,減量目標は耐糖能の改善がみられる無理のないレベルとし,減量前体重の約5%前後を目安としつつ徐々に行う.