(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
12.糖尿病に合併した肥満
ステートメント
1.糖尿病に肥満を合併した場合


糖尿病に肥満を合併した場合には,肥満の是正を行うべきである.
2.肥満の診断

3.肥満の原因


肥満の原因を生活環境,食習慣,運動習慣,遺伝,精神的要因から調査し,それらの除去,軽減とともに減量に対する動機づけを行う.
4.血糖コントロール
高血糖の状態のまま肥満糖尿病患者を放置することは,血糖コントロールをさらに悪化させるので,積極的に生活習慣を改善し,体重を増加させないで血糖コントロールを良好にするように努める.肥満糖尿病患者への薬物療法は,原則として食事療法や運動療法で高血糖の改善が十分に得られない場合にのみ行う. 

肥満糖尿病患者へのインスリン,スルホニル尿素薬の使用は,必要最小限にとどめる.

これらの安易な使用は肥満をさらに助長するおそれがあるからである7),8).
レベル2


肥満糖尿病患者へのインスリン,スルホニル尿素薬の使用は,必要最小限にとどめる.


これらの安易な使用は肥満をさらに助長するおそれがあるからである7),8).

5.メタボリックシンドローム


内臓脂肪蓄積,高血糖,脂質,血圧の異常を合併したいわゆるメタボリックシンドローム(metabolic syndrome)は糖尿病や冠動脈疾患など動脈硬化性疾患のリスクとなる11),12)ので,生活習慣の改善を中心に治療するb),c)(「付録:メタボリックシンドローム」の項参照).