(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
7.糖尿病網膜症の治療
解説
4.血糖コントロール
インスリンまたはスルホニル尿素薬で厳密に血糖コントロールすることにより1型3),4)および2型糖尿病患者5),6)の糖尿病網膜症の発症・進展は抑制できる.HbA1c値をどの程度までにコントロールすれば糖尿病網膜症の発症・進展が最も抑制できるかという閾値が示されているのはKumamoto Studyのみで,糖尿病網膜症に関しては6.5%未満であった.UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study),DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)ではHbA1c値は正常に近ければ近いほど網膜症の発症・進展はより抑制されている.
急激な血糖コントロールにより一時的に糖尿病網膜症が悪化する可能性がある4),7).具体的にHbA1cの低下速度をどの程度までに抑えるのがよいかは明らかでない.進行した糖尿病網膜症を有し罹病期間が長く,HbA1c高値の患者ではインスリン導入前に光凝固療法を施行するなどの配慮が必要である8),9),10),11),12).
急激な血糖コントロールにより一時的に糖尿病網膜症が悪化する可能性がある4),7).具体的にHbA1cの低下速度をどの程度までに抑えるのがよいかは明らかでない.進行した糖尿病網膜症を有し罹病期間が長く,HbA1c高値の患者ではインスリン導入前に光凝固療法を施行するなどの配慮が必要である8),9),10),11),12).