(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
7.糖尿病網膜症の治療


ステートメント

1.眼科受診 グレードAコンセンサス
糖尿病では診断確定時に眼科を受診させ,糖尿病網膜症の有無を評価すべきである1),2).以降は少なくとも年1回の定期受診が望ましく,リスクの高い例ではより短い間隔での眼科受診が勧められる.


2.網膜症の危険の高い状態 グレードA レベル3
以下の状態の糖尿病患者では,糖尿病網膜症の発症・進展の危険が高い.
(1)糖尿病の罹病期間が長い,(2)グリコヘモグロビン(HbA1c)高値,(3)初診時に重症な網膜症を認める,(4)高血圧症の合併がある,(5)妊娠中である7),8),9),12),21)


3.厳格な血糖コントロール グレードA レベル1
厳格な血糖コントロールは,1型糖尿病や2型糖尿病患者における糖尿病網膜症の発症・進展を抑制する3),4),5),6)


4.合併する高血圧の治療 グレードA レベル1
糖尿病に合併する高血圧の治療は,糖尿病網膜症の発症・進展の抑制に有効である13)


5.糖尿病合併妊娠 グレードA レベル2
糖尿病合併妊娠では,血糖コントロールに関係なく糖尿病網膜症が急激に進行することがある.少なくとも受胎前,妊娠初期に眼科受診が必要である10),11)


6.光凝固療法 グレードA レベル1
増殖前網膜症と早期の増殖網膜症および糖尿病黄斑症に対して光凝固療法を行うことにより糖尿病網膜症の進展を止める,または遅らせることができる16),17)


7.硝子体手術 グレードA レベル1
硝子体出血と網膜餝離は硝子体手術により重篤な視力障害の進行を抑制し,良好な視力を維持できる場合がある19),20)


 
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