(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
6.インスリンによる治療
解説
5.インスリンアナログ製剤の特徴
インスリンリスプロやインスリンアスパルトなどの超速効型インスリンは吸収が早く,生理的なインスリン分泌動態により近い作用が期待できる.従来のヒトインスリンに比較して食後血糖がより低下するが,HbA1cはやや改善するかほぼ同等である.また,食事の直前に注射できる利点があり,夜間の低血糖の頻度は低くQOLの向上にも有効である26),27),28),29).CSIIでの使用もヒトインスリンと同等かより有効である30),31).インスリンリスプロやインスリンアスパルトなどの超速効型インスリンの混合製剤も従来のヒトインスリンの混合製剤と比較して食後血糖がより低下し,低血糖の頻度は変わらなかった32),33),34),35).
持効型溶解インスリンであるグラルギンは皮下からの吸収が遅く,長時間安定した血中インスリン濃度を保つことができるため,インスリンの基礎分泌を補充する薬剤として使用できる.1型糖尿病36),37),2型糖尿病38),39)において,夜間低血糖の軽減や血糖コントロールの改善効果が報告されている.
持効型溶解インスリンであるグラルギンは皮下からの吸収が遅く,長時間安定した血中インスリン濃度を保つことができるため,インスリンの基礎分泌を補充する薬剤として使用できる.1型糖尿病36),37),2型糖尿病38),39)において,夜間低血糖の軽減や血糖コントロールの改善効果が報告されている.